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コラム column

2024年2月28日

著作権IT・インターネットAI・ロボット

第18回 骨董通りリンク報告 「AIのビジネス利用 技術と権利」

骨董通りリンク事務局 

骨董通り法律事務所では、中堅・若手を中心とする実務家・研究者による勉強会、「骨董通りリンク」を開催しています。2023年12月に行われた第18回のテーマは、「AIのビジネス利用 技術と権利」でした。今回は前回と同様、リアル会場とオンラインのハイブリッド開催となりました。
本コラムでは、その一端をご紹介します。

今回はご登壇者として、AI関連事業開発の第一線で活躍されているお二人、福田昌昭さん、及び、望月逸平さんをお招きしました。
お二人のご経歴は以下のとおりです。

福田昌昭さん:
株式会社Preferred Networks コンシューマープロダクト・サービス担当VP 兼 ビジネス戦略担当VP
東京工業大学大学院卒業後、ソニー株式会社にてPlayStation3の立ち上げ、PlayStation Networkの開発、運用を担当。
その後、グリー株式会社にて大規模ソーシャルゲームの企画、開発、運用、事業マネジメントに従事。
現在はPreferred Networksにてエンターテインメント、教育、新規事業を統括。

望月逸平さん:
株式会社アマナイメージズ AI倫理対応・政策企画責任者
東京大学法学部卒業後、国内大手証券会社に入社。投資銀行部門にて6年間、伝統的産業から最先端のテクノロジー企業まで、幅広いジャンルのM&Aと資金調達案件を手掛ける。2022年8月、株式会社アマナイメージズに参画。以来、AI関連の事業開発と法務を担当し、AI向け教師データの提供を推進。2023年5月、同社のAI倫理対応・政策企画責任者に就任。

勉強会では、最初に、司会の福井健策弁護士からAIと著作権の国内外の議論状況に関する共有後、福田さん、望月さん両名からお話をいただきました。

福田さんには、「生成AI・基盤モデルとデータ事例」と題し、①Preferred NetworksにおけるAI、ディープランニング(深層学習)分野の取組み、②「生成AI」・「基盤モデル」といった言葉の定義の確認、③生成AI関連の技術トレンド(大規模言語モデル・拡散モデル・ニューラル場)などにつき具体的な事例を用いつつご説明いただきました。いずれも開発者・エンジニアの立場から、また具体的な事例の中で問題となった法務・権利的な要素・課題についてもご説明いただき、大変学びの多いお話をお伺いできました。

望月さんからは、①最初にアマナイメージズにおいて提供されているサービス内容をご紹介いただいた後、②AI学習用データセットの開発・提供、③「AI×IP×権利」を軸としたサービス展開、④「ストックフォト×生成AI」の可能性など、現在検討中のサービス内容のお話を具体的にお伺いしました。その中で現在向き合っておられる権利関連での課題や、運用方針、データ提供者として実際に寄せられるニーズなどについても共有いただいたほか、法令遵守とコンプライアンスの範囲の違いといったテーマについてもお話いただき、こちらも大変興味深いお話をお伺いできました。

その後、司会の福井健策弁護士及び参加者の皆様から、お二人に対して、多数の質問が投げかけられ、法務及び権利上の論点、ビジネス戦略上の問題意識なども含め、様々なディスカッションが行われました。
現在のホットトピックともいえる「生成AI」について、最新のAIビジネスの可能性や戦略、技術的な視点、そこに横たわる著作権や法務の課題・対応策について、参加者の皆様と共に理解を深めた夜となりました。

次回の骨董通りリンクの活動報告もお楽しみに!

以上

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