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コラム column

2019年1月28日

バラエティ

☆記念企画「事務所メンバーがお勧めするジャンル別ベスト15」第6回

「ネタバレ注意!!エンディングから選ぶ禁断の映画ベスト・ランキング15」

弁護士 松澤邦典(骨董通り法律事務所 for the Arts)

事務所15周年企画のランキング15、第6回のテーマは映画にしました。ですが、世に名作といわれる映画は無数にあり、好きな映画も数え切れません。絞りようがない。順位も付けられない。悩み抜いた末に、エンディングという視点から選ぶことにしました。全体の構成や演出も踏まえ、好きなエンディング、刺さったエンディング、大傑作だと思うエンディングの映画15本をご紹介したいと思います。
映画について自己紹介しておきますと、小学校6年生の時に『こむぎいろの天使―すがれ追い』(後藤俊夫監督、1999年公開)という映画に主演しました。子役事務所に所属していたわけではなく、オーディションを受けたらなんと780名の中で主役に選ばれてしまった。小6の夏休みは撮影現場で過ごし、撮影期間中はスタッフと同じアパートで寝泊まりしたのは懐かしい記憶です。
思い出話はこのくらいにして、エンディングから選ぶ映画ランキング15に入って行きましょう。まずは15位から!・・・そうそう、エンディングから選びますので当然・必然の【ネタバレあり】です。嫌な方はここでお引き返しを。警告しましたからね!

15位 ゲイリー・マーシャル監督『フォーエバー・フレンズ』(1988年)

アトランティックシティの海岸で出会った二人の少女、C.C.ブルームとヒラリー・ウィットニーの30年にわたる友情を描いた作品。エンディングでは、C.C.役のベット・ミドラーが歌う「愛は翼に乗って」をBGMに、病に侵されたヒラリーが娘と過ごす最後の時間が描かれる。ヒラリーの娘を引き取ったC.C.は、ラストで、ヒラリーと初めて出会った時に歌った曲をスローテンポで歌い上げる。ミドラーの歌声に浸れるエンディングです。

14位 アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督『恐怖の報酬』(1953年)

油田で起きた火災を爆風で消すためのニトログリセリンの運搬を高額の報酬で請け負った男たちを描いた超有名作。500キロ先の油田までトラックでニトログリセリンを運ぶ任務を、4人の男が二人一組で引き受ける。しかし最後まで生き残るのは主人公マリオだけ。エンディングでは、高額の報酬を手にして浮かれ気分のマリオがトラックをジグザグに走行させる。そして・・・そのあっけなさが却って余韻を残す作品。

13位 蜷川幸雄監督『青の炎』(2003年)

原作は貴志祐介の同名小説で、17才の完全犯罪を描いた作品。演劇界の巨匠・蜷川幸雄の演出によって、主演の二宮和也とヒロイン役の松浦亜弥の魅力が引き出される。ロードレーサーに乗った主人公が反対車線のトラックに突っ込む一瞬のラスト。その後、オープニングの挿入歌でもあるピンク・フロイドの「ザ・ポスト・ウォー・ドリーム」が流れ、松浦亜弥のカメラ目線の表情。これが刺さる。

12位 ウッディ・アレン監督『マッチポイント』(2005年)

名作ぞろいのウッディ・アレン監督作品からは『マッチポイント』を選出。主人公は元テニス・プレイヤーで、この映画のストーリーもテニスの一試合を観ているような仕上がりになっている。どっちに転ぶのか分からない展開が続き、クライマックスを迎えた後に、良い意味で裏切ってくれるエンディング。素晴らしい構成です。

11位 ベルナール・ラップ監督『趣味の問題』(2000年)

大手の化粧品会社を経営する実業家フレデリックが、レストランで働く青年ニコラを「味見役」として雇う。フレデリックは自分の趣味を共有することをニコラに求める。次第にエスカレートして、あらゆることを「味見」させるようになる。二人の男が同化していく過程を描いた心理サスペンス。ラスト、ある決意を持ったニコラに対してフレデリックが向ける微笑が、観る者の解釈欲を刺激する。

10位 ラース・フォン・トリアー監督『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(2000年)

バッドエンドの代名詞のような映画。初めて観た時には、ここまで不快な映画を作っていいのかと、本気で怒りを覚えた。当時まだ中学生だったので、トラウマになった。しかしエンディングから選ぶ以上、この映画は無視できない。この15選のために改めて観たら、やっぱり最悪のエンディングだけど、それだけに破壊力が凄まじい。

9位 北野武監督『キッズ・リターン』(1996年)

北野作品からは『キッズ・リターン』。前途ある若者を堕落させる中年ボクサー・ハヤシ(モロ師岡)が良い味を出しています。エンディングでは、再会した二人の主人公マサルとシンジが昔のように校庭を自転車で二人乗りしながら、「マーちゃん、俺たちもう終わっちゃったのかな?」、「バカヤロー、まだ始まっちゃいねぇよ」。あまりに有名なラスト。

8位 ミロス・フォアマン監督『カッコーの巣の上で』(1975年)

ジャック・ニコルソン演じるマクマーフィーは、刑務所から逃れるために精神病を偽って精神病院に入る。自由を愛し、他の患者たちも巻き込んでやりたい放題のマクマーフィー。しかし、ロボトミー手術によって廃人と化してしまう。ラストは映画史に残る名シーンで、クリストファー・ロイドの絶叫後の表情がたまらない。

7位 チャン・イーモウ監督『活きる』(1994年)

1940年代~1960年代の激動の中国を生き抜く家族を描いた作品。何度も不幸な出来事が起こるが、それでも明るさを失わずひたむきに生きる一家の姿が感動的。ラストは、主人公の「暮らしはどんどん良くなっていく」というセリフ。ここだけ取り出すと何とも楽観的ですが、それまでに描かれた家族の歴史ゆえに沁みます。

6位 高畑勲監督『おもひでぽろぽろ』(1991年)

アニメ映画唯一のランクイン。巨匠・高畑勲の演出が冴えわたる傑作。すでにエンドロールに入ったそこから、主人公のタエ子は東京に帰る電車を降りて、トシオのもとへと引き返します。反対車線の電車に乗り移る場面で、電車の窓から車内によじ登る少し太った男の子の描写が好き。ちなみに都はるみが歌った主題歌「愛は花、君はその種子」は、ベット・ミドラーが歌った映画「ローズ」の主題歌のカバー。

5位 ラッセ・ハルストレム監督『サイダーハウス・ルール』(1999年)

中学生の時に一人で映画館に観に行った思い出の作品。原作はジョン・アーヴィングの同名小説。エンディングで、主人公ホーマーは、自分の育った孤児院へと戻り、育ての親だったラーチ医師の仕事を引き継ぐことを決意する。孤児院に帰ってきたホーマーに対して、年長の孤児であるメアリー・アグネスが向ける眼差しが好き。

4位 ジュゼッペ・トルナトーレ監督『海の上のピアニスト』(1998年)

『ニュー・シネマ・パラダイス』(1988年)と本作『海の上のピアニスト』は、トルナトーレ監督と作曲家エンニオ・モリコーネの名コンビによる傑作中の傑作。大西洋を往復する豪華客船で生まれ、生涯その船から降りなかった天才ピアニスト「1900(ナインティーン・ハンドレッド)」の物語。エンディング、1900は、海上で爆破するためにダイナマイトを積んだ豪華客船と運命を共にすることを選ぶ。

3位 マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督『輝ける青春』(2003年)

6時間にも及ぶ大作。ニコラとマッテオの兄弟を中心に描かれる家族の叙事詩ともいうべき作品。後編に入り、弟マッテオが自殺した後、兄ニコラは生前のマッテオの写真を撮ったミレッラという写真家のことを知る。実はミレッラは、マッテオの死後、マッテオの子供を生み育てていたことが分かる。エンディングでは、ニコラとミレッラが並んで歩く後ろに、死んだマッテオが現れる。リアルなタッチで描かれてきただけに意表を突く演出。

2位 岩井俊二監督『花とアリス』(2004年)

色々な解釈ができ、また映像の中に隠れた遊び心を発見するのが楽しくて、何度も観た作品。「花」こと荒井花と「アリス」こと有栖川徹子の二人が主人公。音楽は岩井俊二監督自身による作曲。長年にわたり岩井俊二監督作品を手掛けてきた篠田昇撮影監督による映像美は本当に素晴らしい。絶妙なバランスの構成で伏線を回収した後、ラストは可愛らしいささやかな笑いで飾る。花とアリスのそれぞれのストーリーラインが織りなす重層的なエンディングが楽しい。

1位 フランクリン・J・シャフナー監督『パピヨン』(1973年)

脱獄映画の金字塔。スティーブ・マックイーン(パピヨン役)とダスティン・ホフマン(ドガ役)の共演作であり、本作におけるホフマンの演技はくせになる。エンディングでは、過酷な独房生活で老人のような姿になったパピヨンが脱出不可能な孤島に島流しになり、その島でドガと再会する。なおも自由を求め続けるパピヨンは、島からの脱出方法を見つけ出す。一方ドガは島を終生の地とすることを選ぶ。二人は抱き合った後、パピヨンだけが断崖絶壁を飛び降りて、大海原へと出て行く。パピヨンの脱出を見届け、強く頷くドガ。この映画の色あせない魅力が詰まったエンディングに1位を贈りたい。

以上

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