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    FAQ よくあるご質問 frequently asked questions

    東北地方太平洋沖地震及び長野県北部の地震により被害を受けられた皆様に、心からお見舞い申し上げます。
    私たちにできるささやかな支援として、「アーティスト・文化団体・知財の震災法律相談」を作成しました。
    今こそ、文化の力で被災地・避難所の人々の心に灯をともし、この国の未来を明るく照らして欲しい。
    このQ&Aに私たちの復興への願いを込めました。



    以下では、当事務所に過去に寄せられた質問の中から、比較的質問を受ける頻度の高いものについて、簡略化したケースを想定して回答しています。ただし、質問及び回答のいずれも、あくまでも一般的な参考用に概略を掲載するものですから、具体的なケースについては、個々に専門家などの助言を受けることをお勧めします。

    質問一覧
    Q1.
    ドキュメンタリー映画を製作し、公開前の宣伝をしていたところ、同じ題材を扱ったノンフィクションの書籍の著者から著作権侵害だという内容の内容証明が来ました。同じ題材を扱うと、著作権侵害になってしまうのでしょうか。
    Q2.
    本を執筆しましたが、著作権保護を受けるためには、著作権登録の手続が必要なのでしょうか。また、本の奥付などに、 © マークをつける必要がありますか?
    Q3.
    著作物はいつまで保護されるのでしょうか。江戸時代の版画の図案を利用することは、著作権法上問題があるでしょうか。
    Q4.
    雑誌に掲載された人気漫画を、テレビアニメーション化して放送等の利用をする場合、漫画の作者からどこまでの許諾を受ければよいでしょうか。
    Q5.
    雑誌に掲載された人気漫画の漫画家から許諾を受け、監修を受けながら漫画をもとにアニメーション制作の準備をしていたところ、アニメーションの制作途中で漫画家が亡くなってしまいました。以降は漫画家の監修を受けることなく、自由に漫画の内容やタイトルを変更してもよいでしょうか。また亡くなってしまった漫画家の名前は、アニメーションのエンディングに出さなくてもよいでしょうか。
    Q6.
    受け取った手紙の文章や故人の日記の内容を、自分の評論や小説の中で引用することはできるでしょうか?
    Q7.
    市販の脚本と楽譜を利用して、チャリティ目的のミュージカル公演を行う予定です。市販されている著作物であれば、著作権者に無断で公演に利用しても問題ないでしょうか。それとも、非営利目的の公演であれば許可は不要なのでしょうか。
    Q8.
    テレビ局が制作する新番組のために、脚本家に対して脚本の執筆を依頼しました。できあがった脚本はテレビ局が自由に利用できるでしょうか。脚本の著作権は、発注者であるテレビ局のものになるのでしょうか。それとも、実際に脚本を執筆した脚本家のものなのでしょうか。

    Q1. ドキュメンタリー映画を製作し、公開前の宣伝をしていたところ、同じ題材を扱ったノンフィクションの書籍の著者から著作権侵害だという内容の内容証明が来ました。同じ題材を扱うと、著作権侵害になってしまうのでしょうか。

    A1.(アイディアと表現の区別)

    著作権侵害は、著作権法の保護対象である著作物を無断で利用した場合に成立します。
    著作物とは、思想や感情を「創作的に」「表現したもの」をいい、単なるアイディアや事実は著作権法の保護の対象となりません。
    ご質問のドキュメンタリー映画とノンフィクションの書籍は、同じ事実をベースにしている以上、似ている部分があるのは当然です。
    しかし、同じ事実をベースにしていても、その表現の仕方において、ノンフィクションの書籍とドキュメンタリー映画に類似または同一の点がなければ、著作権侵害にはあたりません。描かれている事実は著作権法の保護の対象とはならないからです。
    事実と表現の区別は、ケースバイケースでしか判断できず、またその判断も非常に難しい場合がありますが、まずは、実際の書籍とドキュメンタリー映画を比較して、どの部分が事実にあたり、どこからが表現なのかを検討する必要があります。
    (松島恵美)
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    Q2. 本を執筆しましたが、著作権保護を受けるためには、著作権登録の手続が必要なのでしょうか。また、本の奥付などに、 © マークをつける必要がありますか?

    A2.(著作権保護の要件)((c)マークと著作権登録)

    日本の著作権法は、著作権保護を受けるために特別な手続は必要としていません。
    これを無方式主義といいます。著作権は、著作物を創作した時に自動的に発生します。
    したがって、著作権登録の手続をとらず、また、 © マークをつけなくても、思想や感情を「創作的に」「表現したもの」であれば、著作権保護を受けられます。
    著作権登録という制度がありますが、著作権発生の事実関係を周知させ、または他人に著作権を譲渡したときなどにその譲渡を第三者にも主張して取引の安全を図るといった目的のためにある、公示制度のようなもので、著作権の発生のために必要な手続きではありません。
    文章や書籍の末尾、画像などの端によく付されている「 © 2008 ×(人名や社名)」などという表示は、一般に © (マルシー)表示と呼ばれています。
    © は著作権の英語表記Copyrightの略で、著作権がある、ということを示し、その後の2008などの数字は、その著作物が最初に発行された年、その後のXXXなどの人名や社名は、著作権者を示しています。
    以前はアメリカ合衆国では © 表示をしないと、著作権保護が受けられないという政策をとっていましたが、ベルヌ条約という著作権に関する国際条約に1989年に加盟したことによって、日本と同じように、 © 表示がなくても、著作権保護が受けられることになりました。
    現在では、多くの主要国がこのベルヌ条約に加盟し、 © 表示がなくても、著作権保護を受けられることになっていますので、著作権保護を受けるために © 表示が必要とされているのはごく一部の例外的な国でのみです。
    したがって、現在多くの著作物に © 表示がされているのは、著作権保護を受けるために必要だからではなく、著作権保護を受けている状況を利用者に知らせる警告的な目的からです。
    利用者に知らせるだけなら、 © 表示ではなく、All Rights Reservedなどの表記でもかまいません。
    もっとも、このような表示が著作権保護のために必要でないにしても、名前が表示してあれば、そこに表示してある人が著作者であろう、という推定が働くことになります(著作権法14条)。なお、この推定は著作者の推定であって、著作権者の推定ではありません。
    (松島恵美)
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    Q3. 著作物はいつまで保護されるのでしょうか。江戸時代の版画の図案を利用することは、著作権法上問題があるでしょうか。

    A3.(保護期間)(PD後の利用)

    (1)著作権の保護期間
    著作権は、創作したときに始まり、日本では、原則としてその著作物の著作者の死亡後50年保護されます。
    ただし、以下の例外があります。
    [ 1 ]
    匿名・変名の著作物や、会社など、団体名義で公表された著作物:公表から50年
    [ 2 ]
    映画の著作物:公表から70年
    [ 3 ]
    外国人の著作物:ベルヌ条約に加盟している国の国民の著作物は、その国の保護期間か、日本の保護期間( [ 1 ] または [ 2 ] )のいずれか短い期間で保護されます(相互主義;著作権法58条)。(ただし、万国著作権条約の実施に伴う著作権法の特例に関する法律施行以前に発行されたアメリカ合衆国の国民の著作物は、日本の旧著作権法に基づく保護を受けており、現時点においても引き続き内国民待遇の保護を受けるとされています。) また、第二次世界大戦中に著作権があった連合国の国民の著作物については、戦争期間中の日数(国により計算が異なります)を保護期間に加算する、戦時加算という制度もあります。
    なお、いずれの場合も、期間は、死亡、公表の翌年1月1日から数えます。
    (2)著作権が切れた著作物の利用
    著作権が切れた著作物は、自由に利用することができます。
    江戸時代の版画の著作権保護期間はまず終了していますので、これを利用することは、著作権法上問題はありません。
    ただし、元にする図案は、必ず原画と同じ図案を使用するよう、注意してください。
    江戸時代の版画に後世の人物により何点か変更が加えられ、変更された部分に創作性がある場合、変更後の版画全体が新たな著作物と認められ、変更を加えた人に著作権が発生します。この場合、変更部分も含めた全体を利用してしまうと、変更を加えた人の著作権を侵害してしまうことになります。実際、この点が裁判で争われ、原画を変更した絵を使ったことが著作権侵害とされた事件がありました。
    (松島恵美)
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    Q4. 雑誌に掲載された人気漫画を、テレビアニメーション化して放送等の利用をする場合、漫画の作者からどこまでの許諾を受ければよいでしょうか。

    A4.(二次的著作物の原著作者の権利)

    他の著作物(もとになる著作物として、「原著作物」といいます)を利用して新たに作品(原著作物に対して「二次的著作物」といいます)を創作する場合、原著作物の著作者からは、原著作物を改変等(「翻案」といいます)して二次的著作物を創作することに関する許諾(「翻案権」の許諾)を得る必要があります。
    そして、原著作物の著作者は、二次的著作物の利用に関しても、二次的著作物の著作者が持つのと同じ権利をもち、その利用をコントロールできます。
    したがって、漫画を原著作物とする二次的著作物であるテレビアニメーションを放送し、ビデオグラム化して販売・レンタルし、インターネットで配信するなどの利用をするにあたっては、その予定する全ての利用についても、原著作物の著作者である漫画の作者の許諾(放送権、複製権、頒布権、貸与権、自動公衆送信権等の許諾)を得る必要があります。
    (松島恵美)
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    Q5. 雑誌に掲載された人気漫画の漫画家から許諾を受け、監修を受けながら漫画をもとにアニメーション制作の準備をしていたところ、アニメーションの制作途中で漫画家が亡くなってしまいました。以降は漫画家の監修を受けることなく、自由に漫画の内容やタイトルを変更してもよいでしょうか。また亡くなってしまった漫画家の名前は、アニメーションのエンディングに出さなくてもよいでしょうか。

    A5.(著作者人格権)(死亡後の保護)

    著作者には、著作権とは別に、自分の創作した著作物に対する人格的な利益を保護するための著作者人格権というものがあります。これは、他人に譲渡することも、相続させることもできません。また、放棄することもできない権利だと考えられています。 著作者人格権には、以下の3つがあります。
    [ 1 ]
    公表権:著作物を公表するかどうかを決め、公表する場合の方法や時期などを決定することができる権利。
    [ 2 ]
    氏名表示権:著作物に著作者名を表示するかどうかを決め、表示する場合の表示名(ペンネームなども含む)・表示方法を決定することができる権利。
    [ 3 ]
    同一性保持権:著作物の内容やタイトルを、意に反して変更、切除、その他の改変を受けない権利。
    著作者は、[ 2 ] で著作権表示、クレジットなど、著作者名の表示方法について、利用者に一定の要請ができ、また、[ 3 ] で利用者が作品の内容やタイトルを変更する場合は、意に反した変更をしないよう、実務上、著作者の承認・監修を求めることがあります。
    著作者人格権は相続されませんが、著作者の死亡後においても、著作物の利用者は著作者が生きていたならば著作者人格権の侵害になるような行為はしてならないとされています。(著作権法60条)
    また、死亡した著作者の遺族は、著作者が生きていたならば著作者人格権の侵害になるような行為に対して,差止め、損害賠償や名誉回復の措置を求めることができます。(著作権法116条、民法709条)
    したがって、漫画家の死亡後といえども、漫画の基本的な世界観をないがしろにするような変更については同一性保持権の侵害となるでしょうし、漫画家の名前を表示しないことは、生前に表示しないことに同意している等の事情がない以上、氏名表示権の侵害になりますので、引き続き、漫画家の著作者人格権を尊重した制作・利用をする必要があります。
    なお、実務においては、ある程度利用者が自由に利用できるように、著作者人格権を行使しない約束を著作者に求める場合が多くみられます。著作者人格権の放棄は認められませんが、このような不行使の約束は、それが合理的な内容であれば、有効であるとの理解がされています。 したがって、漫画家の存命中に、漫画家との間で著作者人格権の不行使についての具体的な合意があり、かつその内容が合理的である場合には、テレビアニメーションの制作・利用にあたって、漫画家の氏名の表示の仕方や変更の内容について、制作側の裁量に任されると考えてよいでしょう。
    (松島恵美)
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    Q6. 受け取った手紙の文章や故人の日記の内容を、自分の評論や小説の中で引用することはできるでしょうか?

    A6.(手紙や日記の引用)

    著作物とは「思想・感情を創作的に表現したもの」であり、ある程度書き手の個性があらわれているような手紙の文章は、原則として著作物と考えたほうがいいでしょう。他方、だれが書いても同じ文章になってしまいそうな、極めて「紋切り型」の手紙の場合、そこには創作性はほとんどありませんから、著作物とはいえないことになります。たとえば、単なる時候のあいさつと新任・退任のあいさつだけの手紙などがその代表的な例です。
    日記も同じ基準で、書き手の個性があらわれた文章ならば著作物と考えられます(ブログの文章なども同様です)。たとえ故人の日記でも、著作権は原則として死後50年間保護されますから、原則として無断利用はできないことになります。
    ただし、他人の著作物でも、報道・批評・研究といった目的のために自分の作品のなかにとり込むことは、一定のルールのもとで「引用」として許されています。
    しかし、こうした引用が許されるのは、「公表された他人の著作物」だけです。
    したがって、他人の手紙や日記の場合、通常は非公表のものですので、こうした引用が許される可能性はほとんどありません。
    手紙の場合、受取人は読んでいますが、その程度では「公表作品」とは考えられませんので、未公表の日記などと同様に考えられます。それどころか、例え受取人といえども、他人の書いた手紙を勝手に公表すれば、それ自体が著作者人格権(公表権)侵害となる可能性がありますので、注意が必要です。
    (福井健策)
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    Q7. 市販の脚本と楽譜を利用して、チャリティ目的のミュージカル公演を行う予定です。市販されている著作物であれば、著作権者に無断で公演に利用しても問題ないでしょうか。それとも、非営利目的の公演であれば許可は不要なのでしょうか。

    A7.(非営利目的の上演・演奏)

    市販されている脚本や楽譜であっても、著作権者の許可がない限り、これを勝手に上演したり演奏したりすることはできないのが原則です。
    脚本について原作となった小説がある場合は、脚本の著作権者だけではなく、原作である小説の著作権者からも許可を得なければ、上演することはできません。 これは、音楽についても同じです。原曲をミュージカル用にアレンジした楽譜を使うのであれば、ミュージカル用の楽曲の著作権者だけではなく、原曲の著作権者からも許可を得る必要があります。
    古典といわれる原作に基づいた脚本や、クラシック音楽をアレンジした楽譜であっても、安心はできません。原作や原曲が著作権保護の対象になっていなくても、脚本が新しいものであれば、脚本については著作権が残っている可能性が高いですし、音楽についても、ミュージカル用にアレンジされているのであれば、そのアレンジの部分については著作権が残っている可能性が高いのです。
    なお、著作権法上、「非営利目的での上演・演奏等」については、著作権者の許可なしに、著作物を利用できるという規定があります。ただし、「チャリティ目的の公演」であれば必ずこの「非営利目的の上演・演奏」に該当する、というわけではありません。
    著作権者の許可が不要になるには、(1)営利を目的としないこと、(2)聴衆・観衆から料金を徴収しないこと、(3)実演家(出演者等)に報酬が支払われないこと、という3つの条件を充たしていることが必要です。
    生徒が学校で発表する演劇などは、この条件を充たしている場合が多いでしょう。ご質問のようなチャリティ目的の公演であれば、(1)の条件は充たしていると思われますので、(2)と(3)の条件についても確認してください。3つの条件をすべて充たしていれば、著作権者に無断で上演しても著作権侵害にはなりません。
    ただし、上演や演奏にあたって作品を改変すると、著作者人格権(同一性保持権)侵害の可能性もありますので、気をつけましょう。
    (唐津真美)
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    Q8. テレビ局が制作する新番組のために、脚本家に対して脚本の執筆を依頼しました。できあがった脚本はテレビ局が自由に利用できるでしょうか。脚本の著作権は、発注者であるテレビ局のものになるのでしょうか。それとも、実際に脚本を執筆した脚本家のものなのでしょうか。

    A8.(委嘱作品の著作権の帰属)

    (1)テレビ局から脚本家への発注の構造
    テレビ局が外部の脚本家に脚本の執筆を発注(実務的には委嘱ということが多いです)する場合、テレビ局と脚本家の間には、脚本執筆委託契約が締結されます。この契約は法的には脚本の執筆という仕事の完成を目的とする請負契約ということになります。
    脚本の執筆委託は、個人脚本家に対して放送局(資本金が1000万円または5000万円を超える場合。受注側の規模による)が発注する場合には、下請代金支払遅延等防止法(「下請法」)という法律が適用され、放送局は注文書の交付義務、発注時に支払期日を定める義務、支払いが遅れた場合には遅延利息を支払う義務などを負います。
    (2)著作権の帰属
    著作権は創作と同時に著作者に発生するのが原則ですから、脚本が執筆された時点で、その著作権は著作者である脚本家が持つことになります。ただし、脚本家が、放送局の従業員であり、脚本の執筆を放送局における職務として行う場合には、雇用の関係がありますので、職務著作(著作権法15条)として、就業規則等に別段の定めがない限り、雇用主である放送局が著作者となり、著作権を持つことになります。
    放送局が、脚本家が著作権を持っている脚本を番組内外で形態・期間・媒体の制限なく利用し、また部分的使用や書き換えなどの改変を制限なく行いたい場合、脚本執筆委託契約によって脚本家から著作権の譲渡を受けることが有益です。
    脚本執筆委託契約に基づいて著作権の譲渡を受ける際には、翻案権(著作権法27条)および書き換えなどされた二次的著作物にかかる脚本家の原著作者としての権利(著作権法28条)も含めて譲渡の対象とすることが必要です(著作権法61条2項)。
    また、下請法において禁止されている、発注者からの不当な経済上の利益の提供要請とみなされないために、著作権その他脚本にかかる権利譲渡の対価が適正であり、かつ、かかる譲渡の対価が脚本の執筆業務を行う対価とともに、発注金額に含まれるものであることを明示する必要があるでしょう。
    著作権が譲渡されれば、放送局は以降、その脚本について、期間の制限なく、どのような方法・形態でも、どのような媒体においても利用してよく、どのように変更しても問題ないことになりますが、後述するように、著作者人格権への配慮は必要です。
    なお、著作権譲渡をしない場合には、著作権者である脚本家と放送局の間で、脚本の使用許諾契約を締結し、使用料(ロイヤルティ)、使用期間、使用形態・方法・範囲、独占使用の可否などについて合意することが必要です。そして、放送局は、使用許諾された範囲のなかでしか当該脚本を使用することができません。
    (3)著作者人格権への配慮
    著作者である脚本家には、脚本に対する著作者人格権(公表権、同一性保持権、氏名表示権; それぞれについては、前掲Q5をご参照)があります。
    放送局は、当該脚本について、少なくとも本来の目的である番組のために、改訂や部分使用等の必要があるので、その範囲では、特に同一性保持権を行使されたくない、と考えます。
    そこで、放送局と脚本家の間で、脚本家の「著作者人格権の不行使」の合意がなされることがあります。Q5でも説明したように、著作者人格権の放棄は認められませんが、行使しない約束は、それが合理的な内容であれば、有効であるとの理解がされています。
    (松島恵美)
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